そのおとこは、独り歩いていた。
東北の寒くて乾燥しきった北風が吹き荒れる中 ムシとか 草木とか 人間とか 観察対象となるものは全く気配もなく 湧き出る鼻水に気をとられながらも そのおとこは、独り歩いていた。 震災後、道路が復旧してから 毎日が盆か正月みたいに やたら交通量が増えた国道から 裏道に曲り 坂道を登り始めると 国道の喧騒がうそのように 吹きすさぶ風の音しか聞こえない。 さっきより風の音がはっきりきこえているぶんだけ さっきより寒くなってきたような気がして ちょっと体をこわばらせながら そのおとこは、独り歩いていた。 しばらくすると どこからともなく・・・ 「カモン♪カモン♪」 ん? 「カモン♪カモン♪カモン♪」 は? 「カモン♪カモン♪カモン♪」 え? 何ですかこのHappyなお誘いは(笑) しかもだんだん近づいてくるし おとこは気分がとても高揚してくるのを感じた。 「カモン♪カモン♪カモン♪」 「カモン♪カモン♪カモン♪」 来てる! もう、そこまで来てる! そして遂に その声の主が、おとこの前に姿をあらわした。 私を誘うHappyな声の主は ごく普通のカラスでした(笑) ハシブトか ハシボソか はっきり確認できませんでしたが 声のトーンからいくと ハシブトかなと。 ゴミふっ散らかしたり 夜中もうるさかったり ねぐらに帰る群れが無差別爆弾落としたりと 人間目線だと敵視されることが多いですが 野生生物として観察すると これだけ面白い生き物もないなと。 家の窓から観察してても 飽きないですよ、カラス。 ちなみに風で胸毛がめくれると 中は白いです(マジで)
by 3po-studio
| 2012-01-18 01:39
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